
厨房で使用する作業台やシンク等の設備は一般的にステンレス製で作られており、これらはまとめて板金類と呼ばれています。
厨房でステンレス製が選ばれる理由には優れた耐食性にあります。
なぜサビに強いほうが良いかというと、サビによる異物混入を防ぐためです。
しかしながら、ステンレスは完全に錆びないわけではありません。
ステンレスには多くの種類がありそれぞれ成分が異なるため、強度・耐食性・磁性の有無などの特性に違いがあります。
それらの特性の違いをSUSという記号とその後に続く数字で表しています。
このコラムでは厨房で使用されている板金類の代表と言える、SUS430とSUS304の違いや特徴を解説します。
さらに、厨房に必須な作業台とシンクを種類別にご紹介していきますので、これを読めば自分が求める最適なタイプが見つかるはずです!
目次
- SUSとは?
- ・SUS430とSUS304の違い
- 作業台やシンクの特長
- ・脚の種類について
- ・脚枠について
- ・バックガードついて
- 作業台の種類
- シンクの種類
SUSとは?
SUSとはSteel use Stainless(スチール ユーズド ステンレス)略称です。
SUSは世間一般ではステンレスと呼ばれています。
ステンレスは鉄が主成分で、クロム10.5%以上、炭素含有量1 .2%以下の合金鋼のことをいいます。
ステンレスには様々な種類があり、金属の種類や配合が異なることで特徴が変わりますが、共通する最大の特徴はサビにくい点です。



SUS430とSUS304の違い
厨房で使用されるステンレスはSUS430とSUS304です。
見た目では区別することが難しいSUS430とSUS304ですが、違いを調べる簡単な方法は磁力があるかどうかになります。
どちらもステンレス鋼の種類ですが、大きな違いはニッケルの含有量の割合です。
SUS430
【主な成分】クロム
ニッケルを含んでいないため耐食性がSUS304よりも劣りますが、コストも安く、溶接や加工しやすいため幅広い用途で使われています。飲食店の厨房で最も一般的に使用されるタイプです。
SUS304
【主な成分】クロムとニッケル
耐熱性(600ー800℃まで)と耐食性があり、
腐食が懸念される環境で使用されることが多いです。
お寿司屋さんのような酢を扱うお店に適しています。

作業台やシンクの特徴
厨房では欠かせない作業台とシンク。
作業台やシンクにはサイズや種類が幅広くあります。
更には、脚のつくり・バックガード・スノコの有無などを含めると様々なラインナップになっています。
商品選びの目安になるよう特徴をまとめました。
脚の種類について
パイプ脚

丸い筒状の脚
メリット
▷角がないため清掃がしやすい
▷調整・加工がしやすい
アングル脚

L字型の形状をしている脚
メリット
▷軽量で持ち運びに便利
▷コストが安い
▷パイプ脚よりも強度がある
角パイプ脚

四角形の断面の脚
メリット
▷最も強度と耐久性があるため、
重量物(オーブン等)に使用できる
脚枠について
三方枠

三方向が囲まれており、コの字状
メリット
▷足元が広い
▷ゴミ箱等物置き場所のスペースになる
四方枠

四方すべてが枠で囲まれている
メリット
▷四方を囲まれているため安定している
▷作業中に揺れやすい材料や重い器具を置くことができる
スノコ

天板の下にスノコ板が設けてあるタイプ
メリット
▷収納スペースとして使え作業効率UP
▷省スペースな厨房に最適
バックガードついて
作業台やシンクの後方に取り付けられるガードのことです。
壁面に設置する場合はバックガード付きがおすすめです。
メリット
▷水や食品が壁に飛び散り防止ができる
▷シンクはバックガード上に水栓を取り付け可能
※単水栓 奥行5cm以上高さ10cm以上
※混合水栓 奥行6cm以上

作業台の種類について
作業台のサイズについては、下記のサイズ展開が一般的です。
ご要望に沿ったサイズで特注品を製作することも可能です。
主なサイズ(mm)
幅=450~1500
高さ=800・850
奥行=450・600・750

作業台選びのポイント

1.スペースの確保
作業台を置く場所の寸法を測り、十分なスペースがあるかを確認します。
狭すぎると作業効率が下がるため、適切な余裕を持たせることが大切です。
また作業効率の良い動線を意識して配置場所を決めるとことも重要です。

2.作業内容
調理・仕込み・盛り付けなど、どのような作業を行うかによって必要なサイズが変わります。
例えば、仕込みが多い場合は大きめの作業台が必要です。

3.ステンレスの耐食性
和食、寿司店等、塩や酸を多く使用する業態はサビに強いSUS304を選ぶことを推奨します。

4.厨房に最適な機能を選ぶ
使い勝手の良さを重視しながら、下記の機能が必要か検討することをおすすめします。
引出し付

扉付

キャスター付

シンクの種類について
厨房内で欠かせないシンクですが、メインとなるタイプは6種類あります。
用途に合わせて選ぶ上で形やサイズが最適に選べるように
業務用シンクの6タイプをご紹介をします。
一槽シンク

シンプルで使いやすい一槽タイプです。
限られたスペースに設置しやすく、洗い物や調理準備に適しています。
主なサイズ(mm)
幅=450~900
高さ=800・850
奥行=450・600・750
二槽シンク

槽が二つあるタイプです。
二槽あると、つけ置きする槽とすすぐ槽に分けることができます。
また衛生面においても食材を洗う槽と食器等を洗う槽に分けて使うことが可能です。
主なサイズ(mm)
幅=900~1500
高さ=800・850
奥行=450・600・750
三槽シンク

三つの槽が並んでおり、それぞれ異なる用途に使用できます。
主なサイズ(mm)
幅=1200~1800
高さ=800・850
奥行=450・600・750
台付シンク

一槽シンク又は二槽シンクに台がついています。
シンク周りに物を置いたり、調理器具を使ったりするスペース
が確保されるので、作業がしやすくなります。
主なサイズ(mm)
幅=(一槽) 900~1200 / (二槽)1200~1500
高さ=800・850
奥行=450
水切付シンク

一槽シンクまたは二槽シンクに台がついており、斜頸があるのが特徴です。
洗ったものの水切りしやすいようにシンク側が低い斜頸となっています。
主なサイズ(mm)
幅=(一槽)900~1500 / (二槽)1200~1800
高さ=800・850
奥行=600・750
ダスト付シンク

小さなダスト用の槽が付いています。
このシンクには、穴が開いたダスト用のカゴを付属することができ、
ゴミの水切りができます。
主なサイズ(mm)
幅=1200~1800
高さ=800・850
奥行=600
舟形シンク

横長の浅い一槽で、前側の縁が低くなっているシンクです。
槽の中にゲタ付きのまな板を置き、魚介類を調理しやすい仕様になっています。
主なサイズ
幅=900~1800
高さ=800・850
奥行=600・750