飲食店や施設の厨房では製氷機は欠かせません。氷はドリンクに使用する以外に保冷としても使われます。
いざ購入しようとすると製氷機には様々な種類があり、どれにすれば良いか分からない人も多いのはないでしょうか。
製氷機によって氷の形状や一度に作られる量(製氷能力)も異なりますので、
用途別に氷の種類を選ぶと共に店舗の規模や席数に見合った製氷能力を選ぶ必要があります。
製氷機本体のタイプも様々で、作業台代わりになるアンダーカウンタータイプや、スムーズに氷の取り出しが出来るバーチカルタイプなどがあります。その為、あらかじめ設置場所を考え、設置後の利便性をイメージしておくことが重要です。
このコラムでは図解も交えながら簡単・明解に製氷機の選び方をご紹介します。
また、故障かな?と思ったときに出来るお手入れ方法や、メーカー別エラーコード一覧もご紹介しています。
目次
- 業務用製氷機で作れる氷の種類
- ・キューブアイス
- ・ハーフキューブアイス
- ・チップアイス
- ・フレークアイス
- ・丸氷
- 製氷機のタイプ
- ・アンダーカウンタータイプ
- ・スタックオンタイプ
- ・バーチカルタイプ
- ・スライド扉タイプ
- 製氷能力・貯氷量とは?
- 席数でわかる1日に必要な製氷能力
- 故障かな?と思ったらするセルフメンテナンス
- ・きれいな氷が出来ない、氷ができるのが遅い
- ・異音がする
- ・水漏れがある
- メーカー別エラーコード一覧
- ・ホシザキ
- ・フクシマガリレイ
- ・パナソニック
業務用製氷機で作れる氷の種類
業務用製氷機で作れる氷のタイプは主に4種類です。
ドリンクや保冷に適した氷があるので、用途によって氷のタイプを選ぶ必要があります。
それぞれの特徴と用途をご説明します。
キューブアイス
約3cm×3cmの立方体(キューブ型)の氷です。
透明度が高く溶けにくいのが特徴で主にドリンクに使用され、
特に酒類を提供する居酒屋等には必須です。
保冷用など幅広い用途で使用されます。
ハーフキューブアイス
キューブ型の半分位(約1.4cm×2cm)の氷です。透明度が高く溶けにくいのが特徴で主にドリンクに使用されます。小さめな氷なので女性やお子様向けのドリンクに適しています。保冷用など幅広い用途で使用されます。
チップアイス
フレークアイスを固めて作った氷です。キューブタイプの氷よりもたくさん作れます。表面積が大きいため溶けやすい一方で、すばやく冷却するのに適しており、主にファーストフード店で提供している紙コップ飲料に使用されています。
フレークアイス
2mm以下の小さな粒状の氷ですキューブタイプの氷よりもたくさん作れます。小さく、狭いすき間にも入り込めるため、すばやく冷却することができます。食材の保冷にも適しており、鮮魚のアイスベッドとして多く使われています。
丸氷
球状で溶けにくいです。溶けにくいためオンザロックに適しています。アルコール類を提供するお店におすすめです。
製氷機のタイプ
製氷機にはいくつかのタイプがあります。
設置場所や店舗の規模に応じて選ぶことが重要です。
特徴やお勧めな業態をタイプ別に紹介します。
アンダーカウンタータイプ
飲食店で最も一般的に使用されるタイプです。
壁面に設置ができ、他の厨房機器と天板の高さを揃えて作業スペースを広く取ることが可能です。
場所をとらない省スペースなので、狭い厨房におすすめのタイプです。
【特徴】
✓省スペース
✓作業スペースが広くとれる
✓他の厨房機器と高さが揃えられる
【おすすめな業態】
*小・中規模サイズの飲食店
バーチカルタイプ
ワイドが狭めで縦長な製氷機です。省スペースで空間を有効に活用可能です。
扉の位置が高いため、腰をかがめることなく取り出しがスムーズに行えます。
【特徴】
✓省スペース
✓取り出しがスムーズ
【おすすめな業態】
*スーパー
*小・中規模飲食店
スライドドアタイプ
扉がスライドタイプの製氷機です。
縦開きタイプは扉の開閉スペースの確保が必要ですが、
スライドタイプは場所をとらないので手狭な厨房に適しています。
【特徴】
✓省スペース
✓開閉に場所を取らない
【おすすめな業態】
*スーパー
*飲食店
*施設の調理室
スタックオンタイプ
氷を作る製氷ユニットと貯氷庫の組み合わせが可能なタイプです。施設環境や設置スペースにあった製氷量・貯氷量を自由に調整することができます。一度にたくさんの量を作ることが可能なので、大型施設(ホテルや施設等)でよく使われます。
【特徴】
✓製氷ユニットと貯氷量をカスタマイズ可能
✓一度にたくさん製氷可能
【おすすめな業態】
✓大型飲食店
✓スーパー
✓施設の調理室
席数でわかる1日に必要な製氷能力
お店の大きさや、飲食店の業種によって氷を使用する量は異なりますが、1日に必要なおおよその氷の量は、席数×1.5で製氷能力が算出できます。
仮に20席の店舗の場合、20席×1.5=30kg なので製氷能力35kg/日以上の製氷機が適しています。
アルコールやジュース等、飲料を多く扱うお店の場合は、算出した製氷能力よりも1サイズ大きいタイプがおすすめです。
反対にドリンク提供が少なめな飲食店は1サイズ小さいタイプでも十分な場合もあります。
見込み回転数も考慮し、算出して選びましょう。
1日に100kg以上の氷が必要な場合はスタックオンタイプがおすすめです。
故障かな?と思ったときに出来るセルフメンテナンス
■きれいな氷が出来ない、氷ができるのが遅い
✓フィルターが汚れていませんか?
フィルターが汚れると製氷能力が落ちる原因になります。
中性洗剤やぬるま湯でネットを破らないよう優しく洗い、十分にすすぎ日陰で乾燥させてください。
✓フィルター付近の熱交換部分がふさがってませんか?
外気の温度が高いと冷却効率が下がるためエアコンやファン等で部屋の温度を下げるようにしてください。
熱交換部分の回りに物などで空気の通りを遮ってしまうと氷ができにくくなる恐れがあります。
隙間をつくり、放熱できるようスペースをとってください。
✓厨房内が35℃以上だったり、給水温度が高くなっていないですか?
外気の温度が高いと冷却効率が下がるためエアコンやファン等で部屋の温度を下げるようにしてください。
設置場所付近で火を使用していると気温が上がってしまい、それに伴い給水温度が高くなる恐れがあります。
給水温度が上がると綺麗な氷ができない原因となります。
✓庫内に水が溜まっていませんか?
排水口がつまっていると、しっかり排水が出来ずに庫内に水が溜まってしまいます。
庫内の余分な水を拭きとった後、ストッカー内の排水口にホースを差し水圧をかけながら
排水口内の汚れを押し出し、水が流れるかどうか
確認してください。
■異音がする
✓製氷機にガタつきがないか確認してください。
✓製氷機に触れているものがあるか確認してください。
■水漏れがある
✓排水と給水がしっかりつながっていますか。
✓水漏れが起きている近くのナットが緩んでいませんか。
✓排水のゴミや汚れがたまっていませんか。
✓排水ピットが製氷機よりも低い位置に設置しているか確かめてください。
上記の方法で対処及び確認しても改善できない場合、販売店へ修理の依頼をしましょう。