夏

厨房の「冷機器」、夏に備えていますか?

飲食店や施設の厨房にとって、冷蔵庫・冷凍庫・製氷機などの冷機器は夏場の営業を支える生命線です。
しかし、気温や湿度の上昇により、冷却力の低下や突然の故障といったトラブルが発生しやすくなる季節でもあります。

営業中に「氷ができない」「庫内が冷えない」といった問題が起きれば、食材の廃棄や営業停止につながりかねません。 今回は、夏に多発する冷機器のトラブルとその予防策について、長年業務用厨房機器に関わってきた「厨房市場」ならではの視点からご紹介します。

厨房機器 トラブル 点検

夏に多い業務用冷機器のトラブル例

1. 冷蔵庫・冷凍庫の温度が上がる

  • 「庫内温度が10℃以上になってしまった」
  • 「以前より冷えが弱くなった気がする」

主な原因:厨房の高温、フィルターの目詰まり、ドアパッキンの劣化など
対策:設置場所の見直し、冷却部分の清掃と点検を行いましょう。

気温33℃以上となる熱帯夜は、厨房内のエアコンを28℃程度に設定して付けたままの状態にしておくことをお勧めします。
※冷機器は、冷却器の保護のため気温33℃以上の環境で使用した際の不具合は各メーカーで保証されておりません。

2. 製氷機の氷ができない・小さい

  • 「氷のサイズが小さい」
  • 「氷の出来上がりが遅い」

主な原因:給水フィルターの詰まり、冷却不足、厨房の高温多湿
対策:給水フィルターの清掃、給水温度の見直し、熱対策(換気・遮熱)が必要です。

3. 異音や異臭がする

  • 「冷蔵庫から大きな音がする」
  • 「焼けたようなにおいがする」

主な原因:コンプレッサーの異常や、部品の劣化・過熱
電源コードや機械配線などのショートはネズミによる被害の可能性もあります。
(防虫防鼠は別途ご相談ください)
対策:すぐに電源を切り、専門業者に点検を依頼してください。使い続けると重大な故障につながる恐れがあります。

4. ブレーカーが落ちる・電源が切れる

主な原因:複数の冷却機器の同時使用による電力オーバー、または機器内部の漏電
対策:機器ごとの消費電力を確認し、必要に応じて電源回路を分散させましょう。また、ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、漏電の可能性もあるため、専門業者に点検を依頼してください。

5. 霜の付着

主な原因:庫内に霜がつき、冷風口がふさがれてしまっている場合があります。
対策:庫内の食材を全て出し、電源を切ってください。冷蔵庫の大きさにもよりますが数時間で霜が溶けるのでよく拭き取ってください。もしまたすぐに霜がついてしまう場合には霜取りセンサーが故障している可能性がありますので、修理が必要です。

6. 結露が気になる

主な原因:冷蔵ショーケース等、ガラス扉が付いた冷機器の場合、梅雨時や夏場に多量の結露が扉に発生します。
対策:庫内温度と外気温の差が大きいために起こります。故障ではありません。乾いたタオルなどで小まめにガラス扉を拭いてください。

トラブルを防ぐためのチェックポイント

フィルターの目詰まり

吸気フィルターにホコリや油がたまると冷却効率が低下します。月1回(ホコリや油の飛散が多い場所は2週間に1回)を目安に、ブラシや水で洗浄しましょう。油の多い厨房では中性洗剤の使用がおすすめです。洗浄後はしっかり乾かしてから取り付けてください。フィルターを外したままの使用は故障の原因になります。

ドアパッキンの劣化

ドアパッキンが硬化・破損していると冷気が漏れ、庫内が冷えにくくなります。
交換目安は3〜5年です。

設置場所の熱こもり

壁にぴったり設置したり、排熱スペースが狭いと機器内部に熱がこもりやすくなります。背面や側面に10cm以上のスペースを確保しましょう。

厨房の高温多湿

厨房内が35℃を超えると、多くの冷機器の能力が発揮できません。換気扇や排気ファンの設置も検討しましょう。特にフライヤーやガスコンロなどの熱源が冷蔵庫の隣に置かれている場合には、配置の変更が必要かもしれません。

庫内環境の見直し

庫内に物を詰め込み過ぎると、冷気の流れを妨げるため冷えにくくなる原因となります。扉の開閉が多い場合も冷気が外へ逃げてしまうため、冷えにくくなり霜付の原因にもなります。

冷蔵庫前に物を置かない

特に横型の場合、フィルターを覆い隠すように荷物などが置かれていることで、空気が出入りできなくなり、冷えない原因となります。冷蔵庫の前には常に物を置かないようにしましょう。

セルフチェックリスト

セルフチェックリスト確認ポイント推奨頻度
フィルターの清掃ホコリ・油汚れがないか月1回
ドアパッキンひび割れ・変形がないか月1回
設置環境背面に10cm以上の空間があるか常時
排熱の確認背面に熱がこもっていないか週1回
異音・異臭いつもと違う音・においがしないか都度

故障時は「修理」か「買い換え」か?

状況判断の目安
使用5年未満/軽度な不調修理(部品交換)で対応可能
使用8〜10年以上/冷却力の低下買い換えを検討
修理費が新品の半額以上買い換えの方が経済的

※使用状況、使用環境により差があります。

まとめ:夏のトラブルは「日頃の清掃・点検」が一番の対策!

冷機器の不調は、営業停止や食材ロスといった大きな損失に直結します。
特に夏場はトラブルが起きやすい時期。日頃の清掃・点検・早めの対応が何よりも重要です。

「厨房市場」では、業務用冷機器の販売・買取・点検・処分まで対応可能です。
夏本番を迎える前に、ぜひ機器の状態を見直してみてください。