製氷機は飲食店の縁の下の力持ち

飲食店や施設の厨房で活躍する業務用製氷機。
ドリンク用の氷はもちろん、食材の保冷やディスプレイにも欠かせない存在です。
しかし、いざ選ぶとなると「氷の種類」「製氷能力」「設置スペース」など、気をつけるポイントが意外と多くあります。

このコラムでは、製氷機を導入する前に知っておきたい基礎知識から、氷のタイプ別の特徴、店舗規模に応じた選び方までわかりやすく解説します。
さらに、故障かな?と思ったときのセルフメンテナンスやメーカー別エラーコードもご紹介。

製氷機選びで失敗したくない方、トラブルを未然に防ぎたい方はぜひ最後までご覧ください。

業務用製氷機の機種別の特徴と氷のタイプ

機種別の特長

アンダーカウンタータイプ

最も一般的なタイプ。厨房内の限られたスペースを有効活用できます。

  • 【特徴】省スペース設計、他機器と高さを揃えやすい
  • 【おすすめ業態】小・中規模の飲食店
バーチカルタイプ

縦長で場所を取らず、腰をかがめず氷が取り出せます。

  • 【特徴】省スペース、取り出しやすい
  • 【おすすめ業態】スーパー、小規模飲食店
スライドドアタイプ

扉の開閉にスペースを取らず、狭い厨房に最適。

  • 【特徴】スライド開閉、省スペース
  • 【おすすめ業態】施設の調理室、スーパー
スタックオンタイプ

製氷ユニットと貯氷庫を組み合わせる大量製氷型。

  • 【特徴】製氷・貯氷量が調整できる
  • 【おすすめ業態】スーパー、大規模施設

氷のタイプ

キューブアイス(角氷)

透明で溶けにくく、見た目も美しい高品質氷。

  • 【用途】ウイスキー、カクテルなど
  • 【おすすめ業態】バー、レストラン、カフェ
ハーフキューブアイス

製氷スピードが速く、使いやすい小型氷。

  • 【用途】テイクアウト、ソフトドリンク
  • 【おすすめ業態】ファストフード、フードコート
チップアイス(小粒氷)

冷却力が高く、様々な用途に使える万能氷。

  • 【用途】ドリンク、簡易保冷
  • 【おすすめ業態】セルフ式店舗、カフェ
フレークアイス

保冷効果抜群。密着性が高く鮮魚や精肉に最適。

  • 【用途】食材保冷、ディスプレイ、医療
  • 【おすすめ業態】スーパー、精肉店、病院

製氷能力・貯氷量とは?

製氷能力とは

1日あたりに製造できる氷の最大量。
25Kg/日の製氷能力の場合、24時間=約25Kgの氷が作れます。

貯氷量とは

ストッカーに貯めておける氷の量。
目安としては製氷能力の約半分が多い。

必要な氷の量の目安

  • 氷の使用量は店舗の席数や業種によって異なりますが、一般的には「席数 × 1.5kg」が1日あたりの必要量の目安です。
  • 例)20席の場合 → 20 × 1.5 = 30kg/日
  •   =製氷能力35㎏タイプがおすすめ
  • ドリンク提供の多い店舗は、ワンサイズ大きめの製氷機がおすすめです。
  • 逆にドリンクが少ない店舗では、小さいタイプでも十分なケースがあります。
  • 1日に100kg以上の氷を使用する場合は、スタックオンタイプの導入もご検討ください。

故障かな?と思ったときにできるセルフメンテナンス

製氷機がうまく動作しないと感じたとき、まずは簡単なセルフチェックを試してみましょう。
以下のような症状は、ちょっとした環境の変化や汚れが原因であることも多く、簡単な対応で解決できる場合があります。

よくある症状と確認ポイント

きれいな氷が出来ない、氷ができるのが遅い

フィルターが汚れていませんか?​

フィルターが汚れると製氷能力が落ちる原因になります。
中性洗剤やぬるま湯でネットを破らないよう優しく洗い、十分にすすぎ日陰で乾燥させてください。

フィルター付近の熱交換部分がふさがってませんか?​

外気の温度が高いと冷却効率が下がるためエアコンやファン等で部屋の温度を下げるようにしてください。
熱交換部分の回りに物などで空気の通りを遮ってしまうと氷ができにくくなる恐れがあります。
隙間をつくり、放熱できるようスペースをとってください。

厨房内が35℃以上だったり、給水温度が高くなっていないですか?

外気の温度が高いと冷却効率が下がるためエアコンやファン等で部屋の温度を下げるようにしてください。
設置場所付近で火を使用していると気温が上がってしまい、それに伴い給水温度が高くなる恐れがあります。
給水温度が上がると綺麗な氷ができない原因となります。

庫内に水が溜まっていませんか?

排水口がつまっていると、しっかり排水が出来ずに庫内に水が溜まってしまいます。
庫内の余分な水を拭きとった後、ストッカー内の排水口にホースを差し水圧をかけながら
排水口内の汚れを押し出し、水が流れるかどうか
確認してください。

水漏れがある

排水と給水がしっかりつながっていますか。
水漏れが起きている近くのナットが緩んでいませんか。
排水のゴミや汚れがたまっていませんか。​
排水ピットが製氷機よりも低い位置に設置しているか確かめてください。

異音がする

製氷機にガタつきがないか確認してください。​
製氷機に触れているものがあるか確認してください。

上記の方法で対処及び確認しても改善できない場合、販売店へ修理の依頼をしましょう。

メーカー別 エラーコード​

各メーカーごとのエラーコードをご紹介します。
下記に該当しない場合には、取扱説明書をご確認ください。
修理を依頼する際はエラーコードを伝えるとスムーズです。

ホシザキ

フクシマガリレイ

パナソニック

まとめ|製氷機選びに迷ったら厨房市場にご相談ください

製氷機は厨房運営の要。店舗のスタイルに合ったタイプと能力を選ぶことが、業務効率とコストパフォーマンス向上の第一歩です。厨房市場では、新品・中古ともに製氷機の導入をサポートいたします。