失敗しない選び方・設置ポイント・セルフメンテナンスまで

業務用製氷機は、飲食店や施設の運営において、
ドリンク提供だけでなく、食材の保冷やディスプレイなど、
さまざまなシーンで活躍する重要な厨房機器です。
しかし実際に導入・買い替えを検討すると、
- ・どのタイプの製氷機を選べばよいか
- ・必要な製氷能力や貯氷量とは何か
- ・夏場にトラブルが発生しやすい理由
など、判断に迷うポイントが多いのも事実です。
本記事では、業務用製氷機の基礎知識から
選び方・設置前のチェックポイント・よくあるトラブルと
セルフメンテナンス方法まで、現場目線でわかりやすく解説します。
業務用製氷機の種類
アンダーカウンタータイプ(高さ800mm)

アンダーカウンタータイプの製氷機は、高さ800mmで設計されており、
天板を作業台として使用できるのが特徴です。
ヨコ型の業務用冷蔵庫や作業台と高さを揃えて設置できるため、
厨房の動線を崩さず、作業スペースを有効に活用できます。
バーチカルタイプ

アンダーカウンタータイプと同じ床面積でも、より多くの貯氷量を確保できる縦型の製氷機です。
氷を取り出す扉の位置が比較的高く、
深くかがむ必要がないため、日常作業の負担を軽減できます。
スタックオンタイプ

製氷ユニットとストッカーを積み重ねて組み合わせるタイプの製氷機です。
使用量や用途に応じて構成を選べるため、
将来的に製氷量・貯氷量を増やしたい場合でも、
ユニットを入れ替えることで柔軟に対応できます。
氷のタイプ(形状)と用途
キューブアイス(角氷)

一般的に「氷」と聞いてイメージされる、
立方体で透明度の高い氷です。
- 溶けにくく、ドリンクの味を薄めにくい
- 見た目が良く、提供時の印象が安定
- お冷・ジュース・アイスコーヒー・ウイスキーなどに最適
ハーフキューブアイス

キューブアイスのおよそ半分のサイズです。
- グラスに入れやすく、口当たりがやさしい
- 冷却力と扱いやすさのバランスが良い
- 女性やお子様のお客様が多い店舗で使われやすい
チップアイス

フレークアイスを押し固めた形状の氷で、
扇形の断面をしているのが特徴です。
- 表面積が大きく、冷却スピードが早い
- 飲料用・保冷用の両方に対応
ファーストフード店の紙コップ飲料や、
海鮮食材のアイスベッドとしても多く使われています。
フレークアイス

雪のようにサラサラとした不定形の氷です。
- 小さなすき間にも入り込み、すばやく冷却できる
- 製氷コストを抑えやすい
- 食材の鮮度保持に向いている
スーパーマーケットでは、
鮮魚・精肉売り場のアイスベッドとしてよく使用されます。
製氷能力・貯氷量とは?
製氷能力
「製氷能力」とは、1日に製造できる氷の最大量を指します。
たとえば、25kg/日の製氷能力であれば、24時間で約25kgの氷を製造できます。

貯氷量
「貯氷量」は、ストッカーに一時的に保管できる氷の量です。
一般的には、製氷能力の約半分程度が貯氷量の目安とされています。
必要な氷の量の目安
席数や業態によって必要な氷の量は異なりますが、
一般的な目安として以下の計算が参考になります。
例)20席 × 1.5kg/日 = 約30kg
→ 製氷能力35kg/日クラスの機種が目安
ドリンク提供が多い店舗や、夏場など繁忙期を想定する場合は、
一つ上のクラスを選ぶと安心です。
業務用製氷機の設置前に確認すべきポイント
製氷機は「置ければOK」という機器ではありません。
設置条件を誤ると、能力低下や故障の原因になる場合があります。
- 給水・排水の位置と勾配
- 電源(100V/200V)の確認
- 排熱スペースの確保(左右・背面5cm以上が目安)
- 厨房内の室温(35℃以上は能力低下の原因)
とくに夏場は、排熱や高温環境がトラブルを招きやすいため、
設置前に必ず確認しましょう。
故障かな?と思ったときのセルフチェック
「氷ができない」「音が気になる」といった症状があっても、
まずは簡単なセルフチェックを試してみましょう。
氷の出来が悪い・遅い場合



- ・吸気フィルターの汚れ → 清掃
- ・放熱スペース不足 → 周囲の物を移動
- ・室温・給水温度が高い → 換気・空調を強化
こうした対策で改善するケースがあります。
水漏れがある場合
- ・給排水ホースの緩み
- ・排水口の詰まり
- ・排水先の高さ不足
これらを確認し、必要に応じて調整してください。
異音がする
- ・本体が傾いている
- ・周囲と接触している
異音や異臭、エラー表示がある場合は、無理に使用せず、
専門業者への相談をおすすめします。
メーカー別エラーコード一覧
故障対応時にエラーコードを伝えると、修理や問い合わせがスムーズになります。
詳細は各メーカーの取扱説明書をご確認ください
ホシザキ

フクシマガリレイ

パナソニック

まとめ
業務用製氷機は、製氷能力・貯氷量・氷の種類・設置環境など、
複数の視点から選定することが重要な厨房機器です。
- ・開業や改装で製氷機を検討している
- ・夏前に入れ替えを考えている
- ・修理か買い替えで迷っている
といったケースでは、ぜひ一度仕様や設置条件を確認しておくことをおすすめします。
